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Thursday, February 16, 2012

ダジャレ思いついたけど言わない勇気。

観劇してきました。

もともとは、とある役者さんの出演作品を追いかけてぼちぼち観てたのです。年に何本か。
で、こないだの秋に、足立梨花主演(客演)ということで観た「オーバースマイル」の企画演劇集団ボクラ団義。

まずは前回のおさらいです。

1 down, 4 to go.

なんていうか演劇における映像的表現の追究というか追求というか。
外部の大手芸能プロダクションからの客演を積極的に利用(?)し、かつメインテーマ音楽と映像では既存の外部ユニットとのタイアップ的なもの仕掛けてみたり。ショウビジネスを正しく理解している劇団、という印象を受けた。

で、これ。

「あなたはもう、この世にはいない—」
いやもうえらいことですわ。やっとこの劇団の「文法」が理解できた。
前作の若者二人+謎の老人と同様に狂言回し的な男女。この二人を中心に物語を「見せられる」ことになるのだが…。

僕が考える優れた物語の要素には、誰に感情移入するかによって違った見方ができる、というのがある。…と思っていた。

この作品は全然レベルが違う。もっと言ってしまえば世代が違う。

まず物語の骨格である脚本の出来が圧倒的。
ひとつのストーリーを、ほんのちょっとだけ構成を入れ換えた表裏一体で見せる。かなり複雑な話だけど、でも標準的な知的水準の人だったらちょうど過不足なくついていけるであろう複雑さとテンポが絶妙。前半いまいちすっきりしないというか、あれ?わりとフツウの話?このまま終わっちゃうの?え?と思わせといて、その瞬間からthe other storyで怒濤の伏線回収開始。
欲を言えば「サイコもの」の着地点が最終的に若者の色恋沙汰にきれいに収束する印象を受けてしまうのがもったいないかも。でもそんなこと気にしてたら何も観られない。

一回観た記憶だけでは復習しきれない。あと二回ぐらい観るべき。

そして前作に続いて大手芸能プロダクションからの客演を主要な位置に受け容れつつも、全体の血となり肉となる地(じ)の劇団構成メンバーがそれぞれすばらしい。特筆すべきは大神拓哉(おおが たくや)と大音文子(おおおと ふみこ)。前作と今作のみを観るかぎり、役者とかコメディアンよりもヴォードヴィリアンという言葉が似合う。ともすれば物語の本筋と直接関係のない細かい笑い担当と思われがちだが、誰がどう考えても非日常なストーリーにギリギリのリアリティを持たせているのは彼らの力量によるものが大きい。

ついでに作ってる人たち、それぞれ少なからずオタク気質を持ってると思う。
紙媒体なら手塚治虫や星新一、映画なら"The Sixth Sense"とかサイコサスペンスの王道もの、あとスクウェアのゲーム(まだSFCのころのファイナルファンタジー6とかクロノトリガーあたり?)といった、それぞれのジャンルでは超メジャーな作品の影響をそこかしこに感じつつ、それらの消費者にとどまらず、多岐多数にわたる元ネタをまとめ上げて最終的に作品として「出力する能力」がスゴイ。
これはオタクには絶対にできない。オタク上がりの自称クリエイターが作る自己満足とはあきらかに世界が違う。

舞台における映像的表現を追究しつつも、これは映像媒体では不可能。本当に舞台でしか観られない、そしてその価値のある作品。

さて。
いくらスゴイ脚本ができても、いくらいい役者が揃っても、どこでも同じ完成度の舞台が実現できるとはかぎらない。ビジネスとしての側面がある以上、そこには政治力とか資本力が不可欠なわけで。

ボクラ団義、そして主宰の一人・久保田唱、何者なんだろう?若いんだぜ。27歳とか。びっくりするわ。あらゆる意味で。

蛇足。
いまどきの若者が作る作品がスゴイと思う点もうひとつ。「昔の話」に、けーたいが出てくんだよ!

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